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特別インタビュー 〜専門家に訊く、ちょっとためになる話〜

寝姿勢別に見る、問題点を解決するポジショニング

ポジショニングの方法は、寝姿勢によって異なります。理学療法士・伊藤亮子さんに、仰臥位、側臥位に分け、部位別のポジショニングのポイントを解説していただきました。また、実践に役立つピローの使用方法や小さな体位変換の方法などもご紹介します。

2008年12月  
ポジショニングを行う前に、それぞれの身体の部位がどのような状態にあるかを確認しましょう!

身体がゆがんだままポジショニングをしてしまうと、変形を助長してしまうことになりかねません。ポジショニングを行う前に、仰臥位では、必ず、骨盤がどのような位置にあるかを確認し、できるだけニュートラルな位置から始めましょう。詳しくは、ポジショニングのポイントをご参照ください。

ポジィショニングのポイント
ピロー使用方法

ピローの中身が移動するタイプのものは、ピローを振ることで厚みを変えることができます。頭部のサポートの際は、背部は薄く、頭部を厚くすることで身体によりフィットしたサポートができます。大腿部へのサポートにも、厚みを変え、足が内側または外側に転がりやすいようにすることができます。また、小さなピローは、使用するピローのボリュームが足りず、身体との間に微妙な隙間ができてしまう際にサポートしているピローの下へ併用することで、より身体に添ったフィット性の高い環境が提供できます。

ピローを振ることで中身が移動します。ピローの中身を均一にしたり、厚みを変化させることができますので、ポジショニングのバリエーションが広がります。また、このような素材は、サポートする際にピローに身体を添わせて、ピローごとゆらしながら使用することで、よりピローに身体をなじませることが可能となります。

今回主に使用しましたピローは、中身がこのような素材で充てんされ、ピローの形が変化できます。

RF RM

身体の形状にフィットして広い面をサポートします。

身体の形状にフィットし、安定感の提供も可能です。

目的に応じて高さを補う

例えば、下肢のサポートの際には、外旋・内旋の予防や改善の目的から、膝の向きに注意してポジショニングを行うことが大切です。どのような傾向にあるかを見極めてポジショニングを実施しましょう。

例:左下肢のポジショニング(次ページ、下肢のポジショニング上段の写真をご参照ください。)

膝が外を向いて外旋しやすい方は、内側に転がりやすいように、大腿をサポートしているピローの上部下(大腿より外側)に小さなピローを補います。

膝が内を向いて内旋しやすい方は、外側に転がりやすいように、サポートしているピローの下部下(大腿より内側)に小さなピローを補います。

はじめにピローを振って下部に中身を集め、丸めることで、ピローに傾斜をつけることができます。大腿部のサポートや腕のサポートとして使用できます。

仰臥位編
上肢
上肢におこりやすい問題点
上肢の拘縮

上肢も下肢と同様、長期の臥床によって胸部へ手を置き、拘縮が次第に強くなると手の先が胸に押しつけられる状態になることがあります。

上肢のポジショニング

肩→上腕→肘とピローを移動させることによって、小さな体位変換が行えます。左右それぞれ行います。

頭部 胸郭
頭部・胸郭のポジショニング

円背の方の仰臥位をサポートします。上部のピローは、頭部側が厚く、胸郭下部が薄くなるように中身を移動させてから、上体の中心に対してひし形に配置します。下に高さを補うピローを併用することで、頭部の重さを受けてより安定感よくサポートします。

円背が強くよりしっかりとサポートが必要な方は、C型のピローを下部に併用します。
C型の中心に頭部、両サイドに肩甲骨がしっかりのっているか、確認しましょう。

頭・肩・胸郭と上肢の手先までを一つのピローでサポートすることができます。
高さが足りなくピローに潜り込んでしまう方は、高さを補うピローを併用してください。

ピローの中身を移動させ、厚みを変えることで小さな体位変換が行えます。

下肢
下肢におこりやすい問題点
下肢の倒れ

下肢が倒れることで、骨盤もゆがみ、脊柱にも影響が及びます。

下肢の拘縮

下肢が拘縮などで上がった状態では、骨盤に重さが移り、ご自身での動きがとりづらくなります。また、殿部に圧迫が集中するので、褥瘡発生のリスクも高くなります。

踵部

仰臥位で、踵だけしか接地していないような場合には、踵に足全体の重みが集中しやすく、殿部と同様に褥瘡発生のリスクが高い場所です。また、長期の臥床により、内転や外転、尖足になりやすい状態です。

下肢のポジショニング

下肢は大腿部の骨に近い外側を膝下に向けて広くサポートし、足全体を踵だけで支えないようにします。その際、膝が天井を向くよう、膝の向きに気をつけてポジショニングを行いましょう。

内転・外転・屈曲予防の目的でピローを入れます。ピローは丸めて使用します。

上記では大腿部のサポートのみになってしまうような大柄の方などに有効な使用方法です。一つのピローで下肢全体を広く受けることができます。

側臥位編
姿勢 移動
側臥位から腹臥位へ

ピローの厚みを変化させ、姿勢を少しずつ移動させることで、側臥位から腹臥位への橋渡しをしながらポジショニングを行います。
一日のスケジュールの中で時間や介護力を考慮して腹臥位まで行わずに、もとの姿勢にもどることも検討しましょう。腹臥位を取り入れることで、いつも床面から離れることがない背中や殿部が離れる時間を作ることができます。

全身
側臥位のポジショニング

複数のピローを使用して、背部・上肢・膝・下肢をサポートします。ピロー単体では高さが足りない場合は、高さを補うピローを下に併用します。

上部になる下肢は膝の位置が股関節よりも高いポジションにないと、内転・内旋しやすくなります。また、足先までサポートをすることで、足先の重みで股関節が引っ張られてしまうのを防ぎます。

頭・背部・下肢を一つのピローでサポートし、上肢の重さで胸郭がねじれないよう、上腕から手先にかけてV型のピローでサポートします。この際も、下部の膝のサポートを忘れないようにしましょう。

下肢
下肢におこりやすい問題点
重力の影響

ピローによるサポートがない状態では、上部に位置する下肢は足が閉じる方向への影響をより強く受けます。股関節が開くことが困難となり、おむつ交換や着替えに支障が出てきてしまいます。

また、可動性のない場合、下の足の膝が浮いてしまう場合は、サポートが必要となりますが、重力が有効に働くので最小限にとどめます。

大きな体位変換と小さな体位変換

体位変換を行う際、ご利用者の状況や介護者の状況によっては、身体のポジションを大きく変えることを少し引が困難なこともあります。そのような時は、身体の一部に入っているピロー張ることで、小さな体位変換を

することができます。大きな体位変換が困難な場合は、小さな体位変換だけでも重さを支える場所が変化していきます。このような小さな体位変換は、ご利用者もゆっくりおやすみになりたい夜間にも応用できます。

ご家族が介助される場合などは、ピローを入れることよりも引いていただいたくことの方が負担も少なく、受け入れていただけることがあります。 状況に応じてできる範囲の方法を介護者に指導しましょう。

長期の臥床による下肢の影響の中でも、尖足の問題は座位や立位の妨げになることからも、お悩みの方も多いかと思います。仰臥位では、尖足に対し、重力がマイナスに働きます。仰臥位で解決しようとせずに、仰臥位で過ごす時間を少なめにし、影響の少ない側臥位をとる時間や、座位をとり踵で足の重さを支えるなど、本来の機能を果たす時間を増やしましょう。また、姿勢を変えることだけでなく、仰臥位でも膝を立てて足底をしっかり床面につけながら腰を上げたり、上げた腰を左右に動かしたりするなど、足部を機能させることが予防や改善へと繋がります。ご自身で膝を立てておくことが難しい場合でも、寝返りを介助する際に、足を立て骨盤の重みを足底に移していくことを助けるように膝や足部に触れ、動きを誘導することができます。仰臥位でピローなどで足底への刺激を提供する場合は、反応を見られる状況で行い、ピローは当てたままにはしないようにしましょう。

※製品の仕様・価格は予告なしに変更する場合がありますのでご了承ください。

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今回使用したピロー&クッション ロンボポジショニングクッションシリーズ ピロー&クッション ドイツのテクノロジーを凝縮した、豊富な形とサイズのピロー&クッション。 洗濯可能な素材で、快適・安全なベッド環境を創造します。 RF1 ソフトタイプのマルチクッション 40×60cm 5,250円(本体価格5,000円) RF3 サポートする部位によって選べるクッション 23×40cm 5,775円(本体価格5,500円) RF5 広く身体を支えられる大型クッション 80×80cm 13,650円(本体価格13,000円) スネーククッション 1本のクッションで30度側臥位等をサポート φ20×220cm 26,250円(本体価格25,000円) RM1 折り曲げて、丸めて、自在に使えるクッション 65×75cm 15,225円(本体価格14,500円) RM2 30度側臥位のポジショニングをサポート クッション本体40×80cm フラップ20×80cm 15,225円(本体価格14,500円) RM3 さまざまな部位のサポートに最適な小型クッション 15×30cm 2,835円(本体価格2,700円) ポスチャー マネジメントピロー ビーズパッド 動こうとする意志をサポートする、身体を保持する、どちらの姿勢体位管理にも対応できるビーズパッドです。 Cタイプ 身体の中心を サポートするC型パッド 60×44cm 9,450円(本体価格9,000円) Vタイプ 関節部の曲がりに沿ってサポートできるパッド 45×45cm 6,300円(本体価格6,000円)